目次
アンケートを実施するとき、「何人から回答を得れば十分なのか」と迷ったことはないでしょうか。
対象者全員にアンケートを取れれば完璧なデータが得られますが、たとえば国内の20代女性全員から回答を集めることは現実的ではありません。そこで重要になるのが「どれくらいの誤差を許容するか」という考え方です。
この記事では、誤差の意味と信頼度を理解することで、必要なサンプル数を判断できるようになる考え方をご紹介します。
対象者全員にアンケートを取れれば完璧なデータが得られますが、たとえば国内の20代女性全員から回答を集めることは現実的ではありません。そこで重要になるのが「どれくらいの誤差を許容するか」という考え方です。
この記事では、誤差の意味と信頼度を理解することで、必要なサンプル数を判断できるようになる考え方をご紹介します。
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「サンプル数」と「サンプルサイズ」の違い
まず用語の整理から始めます。
「サンプル数」と「サンプルサイズ」は混同されやすい言葉ですが、本来は異なる意味を持っています。
・サンプル数:実施したアンケートの本数
・サンプルサイズ:1回のアンケートで回答を集める人数(n数)
たとえば10代から60代の年代別に同じアンケートを1,000人ずつ実施した場合、「サンプル数」は6、「サンプルサイズ」は各1,000となります。
ただし、実務では「サンプル数」が「回答人数」の意味で使われることも多く、混在しています。本記事では「アンケートに回答してもらう人数(n数)」を「サンプルサイズ」として統一して説明します。
「サンプル数」と「サンプルサイズ」は混同されやすい言葉ですが、本来は異なる意味を持っています。
・サンプル数:実施したアンケートの本数
・サンプルサイズ:1回のアンケートで回答を集める人数(n数)
たとえば10代から60代の年代別に同じアンケートを1,000人ずつ実施した場合、「サンプル数」は6、「サンプルサイズ」は各1,000となります。
ただし、実務では「サンプル数」が「回答人数」の意味で使われることも多く、混在しています。本記事では「アンケートに回答してもらう人数(n数)」を「サンプルサイズ」として統一して説明します。
サンプルサイズを決める=どれくらいの誤差を許容するかを決める
母集団
標本
結果
アンケートに回答してもらう人数を決めることは、「どれくらいの誤差が出てもよいか」を決めることでもあります。
たとえば30人のクラス全員から回答を集める場合は「全数調査」であり、誤差を考える必要はありません。
一方、「全国の20代男性の調理率を調べたい」という場合、全員から回答を得ることは不可能に近いため、全国の20代男性を「母集団」とし、その一部を「標本」として無作為に抽出してアンケートを実施します。標本の結果から母集団の値を推定するこの方法を「標本調査」と呼びます。
推定である以上、誤差は必ず発生します。その誤差をどの程度まで許容するかによって、必要なサンプルサイズが変わってきます。
たとえば30人のクラス全員から回答を集める場合は「全数調査」であり、誤差を考える必要はありません。
一方、「全国の20代男性の調理率を調べたい」という場合、全員から回答を得ることは不可能に近いため、全国の20代男性を「母集団」とし、その一部を「標本」として無作為に抽出してアンケートを実施します。標本の結果から母集団の値を推定するこの方法を「標本調査」と呼びます。
推定である以上、誤差は必ず発生します。その誤差をどの程度まで許容するかによって、必要なサンプルサイズが変わってきます。
信頼度95%の場合、何人必要か
アンケート結果を信頼できるものにするためには、適切なサンプルサイズを確保することが重要です。信頼水準95%、許容誤差±5%、回答比率50%(最も誤差が大きくなるケース)を前提とした場合の、母集団別の必要なサンプル数は以下の通りです。
| 母集団 | 必要なサンプル数 |
|---|---|
| 100万人 | 385人 |
| 10万人 | 383人 |
| 1万人 | 370人 |
| 1000人 | 278人 |
| 100人 | 80人 |
※信頼水準95%、許容誤差±5%、回答比率50%(最も誤差が大きくなるケース)の場合の目安
母集団が1万人以上になると必要なサンプル数はほぼ変わらなくなるため、母集団が大きい調査では約400名を目安にするのが一般的です。
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サンプルサイズの決め方:4つの手順
ここでは標本誤差早見表を使ったサンプルサイズの決め方をご紹介します。
手順1:許容誤差を決める
まず、どの程度の誤差が出てもよいかを決めます。標本調査では母集団から一部を取り出して推定するため、必ず誤差が生じます。この誤差を「許容誤差」と呼びます。
たとえば許容誤差5%とは、「アンケートで90%の人が『そう思う』と回答した場合、母集団では85〜95%の人が『そう思う』と考えられる」ことを意味します。
たとえば許容誤差5%とは、「アンケートで90%の人が『そう思う』と回答した場合、母集団では85〜95%の人が『そう思う』と考えられる」ことを意味します。
±5%(許容誤差)
85%
下限
下限
90%
アンケート結果
アンケート結果
95%
上限
上限
つまり「母集団では85〜95%の人が『そう思う』と考えられる」という推定ができます。許容誤差を小さくするほど、必要なサンプルサイズは増えます。
手順2:信頼度を決める
次に「信頼度」を決めます。信頼度とは、標本の結果が許容誤差の範囲に収まる確率を示します。
信頼度95%の場合、「100回アンケートを実施すると、95回は許容誤差内の結果に収まる」ことを意味します。統計上、信頼度95%あれば十分意味があると一般的に言われています。
信頼度95%の場合、「100回アンケートを実施すると、95回は許容誤差内の結果に収まる」ことを意味します。統計上、信頼度95%あれば十分意味があると一般的に言われています。
手順3:回答比率を確認する
回答比率とは、調査対象者の支持率や保有率などのことです。事前調査などでわかっている場合はその数値を使います。事前に不明な場合は、最も誤差が大きくなる50%を用いるのが安全です。
手順4:標本誤差早見表で必要なサンプルサイズを確認する
以下の早見表の使い方は次の通りです。
① 左側の「回答比率」から該当する行を選ぶ
② 許容したい誤差の値を表内で探す
③ その列の上端に記載されているサンプルサイズが、必要な回収数
① 左側の「回答比率」から該当する行を選ぶ
② 許容したい誤差の値を表内で探す
③ その列の上端に記載されているサンプルサイズが、必要な回収数
| サンプルサイズと標本誤差(単位:%) ※信頼度95%(z=1.96) | |||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 100 | 200 | 300 | 400 | 500 | 1000 | 2000 | 3000 | ||
| 回答比率 | 1% 99% |
2.0 | 1.4 | 1.1 | 1.0 | 0.9 | 0.6 | 0.4 | 0.4 |
| 5% 95% |
4.3 | 3.0 | 2.5 | 2.1 | 1.9 | 1.4 | 1.0 | 0.8 | |
| 7% 93% |
5.0 | 3.5 | 2.9 | 2.5 | 2.2 | 1.6 | 1.1 | 0.9 | |
| 10% 90% |
5.9 | 4.2 | 3.4 | 2.9 | 2.6 | 1.9 | 1.3 | 1.1 | |
| 15% 85% |
7.0 | 4.9 | 4.0 | 3.5 | 3.1 | 2.2 | 1.6 | 1.3 | |
| 20% 80% |
7.8 | 5.5 | 4.5 | 3.9 | 3.5 | 2.5 | 1.8 | 1.4 | |
| 25% 75% |
8.5 | 6.0 | 4.9 | 4.2 | 3.8 | 2.7 | 1.9 | 1.5 | |
| 30% 70% |
9.0 | 6.4 | 5.2 | 4.5 | 4.0 | 2.8 | 2.0 | 1.6 | |
| 35% 65% |
9.3 | 6.6 | 5.4 | 4.7 | 4.2 | 3.0 | 2.1 | 1.7 | |
| 40% 60% |
9.6 | 6.8 | 5.5 | 4.8 | 4.3 | 3.0 | 2.1 | 1.8 | |
| 45% 55% |
9.8 | 6.9 | 5.6 | 4.9 | 4.4 | 3.1 | 2.2 | 1.8 | |
| 50% 50% |
9.8 | 6.9 | 5.7 | 4.9 | 4.4 | 3.1 | 2.2 | 1.8 | |
※ 標本誤差の計算式:±z√(p(1-p)/n) z=1.96(信頼度95%)
たとえば以下のようになります。
・回答比率50%、許容誤差5%の場合 → 400人の回収が必要
・回答比率50%、許容誤差10%の場合 → 100人の回収で十分
・回答比率50%、許容誤差5%の場合 → 400人の回収が必要
・回答比率50%、許容誤差10%の場合 → 100人の回収で十分
信頼できる最低限のサンプルサイズは?
必要なサンプルサイズについては諸説ありますが、実務でよく使われる目安を紹介します。
・50サンプル(標本誤差:約±15%)
市場全体の傾向をざっくり把握したい場合や、社内の仮説検証など精度より速度を優先したい場合に用いられることがあります。ただし誤差が大きいため、経営判断や対外的な発表に使うデータには推奨されません。
・100サンプル(標本誤差:約±10%)
「最低限意味のある調査を実施したい」という場合に選ばれることの多い目安です。費用を抑えながら一定の精度を確保したい場合に適しています。
・400サンプル(標本誤差:約±5%)
統計学上、標本誤差5%以下は有意水準として認められるため、経営判断や重要な意思決定に使うデータを取る場合は400サンプルが推奨されます。
・50サンプル(標本誤差:約±15%)
市場全体の傾向をざっくり把握したい場合や、社内の仮説検証など精度より速度を優先したい場合に用いられることがあります。ただし誤差が大きいため、経営判断や対外的な発表に使うデータには推奨されません。
・100サンプル(標本誤差:約±10%)
「最低限意味のある調査を実施したい」という場合に選ばれることの多い目安です。費用を抑えながら一定の精度を確保したい場合に適しています。
・400サンプル(標本誤差:約±5%)
統計学上、標本誤差5%以下は有意水準として認められるため、経営判断や重要な意思決定に使うデータを取る場合は400サンプルが推奨されます。
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「誤差」と「予算」はトレードオフ
誤差を小さくしたい場合
サンプルサイズを
増やす ↑
精度は上がるが
コストも大きくなる
トレードオフ
コストを抑えたい場合
サンプルサイズを
減らす ↓
コストは下がるが
誤差は大きくなる
実際にアンケートを実施する場合、予算との兼ね合いが必ず発生します。サンプルサイズが大きいほど誤差は小さくなりますが、多くのアンケートツールや調査会社では設問数と回収人数によって費用が決まるため、回収人数が増えるほどコストも上がります。
誤差を小さくしたければサンプルサイズを増やす必要があり、費用を抑えたければサンプルサイズを小さくせざるを得ません。この関係を理解したうえで、調査の目的に合った「ちょうどよいところ」を決めることが重要です。
誤差を小さくしたければサンプルサイズを増やす必要があり、費用を抑えたければサンプルサイズを小さくせざるを得ません。この関係を理解したうえで、調査の目的に合った「ちょうどよいところ」を決めることが重要です。
実務での目安:「分析したいターゲット×100名」
予算と精度のバランスを取る実務上の目安として、「分析したいターゲット × 100名」という考え方があります。
例①:20代男性の調理率を調べたい → 分析対象は「20代男性」のみ → 100名
例②:20代男性と20代女性の調理率の差を知りたい → 分析対象が2グループ → それぞれ100名ずつ → 200名
参考として、回答比率50%(最も誤差が大きくなるケース)での誤差の目安は以下の通りです。
例①:20代男性の調理率を調べたい → 分析対象は「20代男性」のみ → 100名
例②:20代男性と20代女性の調理率の差を知りたい → 分析対象が2グループ → それぞれ100名ずつ → 200名
参考として、回答比率50%(最も誤差が大きくなるケース)での誤差の目安は以下の通りです。
| 回収人数 | 標本誤差 | 誤差の範囲 |
|---|---|---|
| 100人 | ±9.8% | 40.2〜59.8% |
| 500人 | ±4.4% | 45.6〜54.4% |
| 1,000人 | ±3.1% | 46.9〜53.1% |
※回答比率50%(最も誤差が大きくなるケース)、信頼度95%の場合
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回収サンプル数を確保するための3つの方法
必要なサンプルサイズが決まったら、次は実際にどのように対象者を集めるかを検討します。主な方法として以下の3つがあります。
① 自社で対象者を集めて調査する
既存顧客や自社のメールリスト、SNSのフォロワーなど、自社でリーチできる対象者にアンケートを配信する方法です。コストを抑えられる一方、対象者が既存顧客に偏る可能性や、必要なサンプルサイズを確保しにくいケースがあります。
② 調査会社に依頼する
自社だけでは必要なサンプルサイズを集めることが難しい場合、大規模な回答パネルを持つ調査会社に依頼する方法があります。ターゲットを絞り込んだうえで必要な人数を確保できるため、精度の高い調査が可能です。
調査会社への外注については、下記記事もご参照ください。
調査会社への外注については、下記記事もご参照ください。
③ セルフ型アンケートツールを活用する
セルフ型アンケートツールを使うことで、調査会社に依頼するよりもコストを抑えながら、ツールが保有する回答パネルにアンケートを配信することができます。自社でターゲットを集める手間を省きつつ、必要なサンプルサイズを確保しやすい点が特徴です。
セルフ型アンケートツールの比較については、下記記事もご参照ください。
セルフ型アンケートツールの比較については、下記記事もご参照ください。
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まとめ
この記事のポイントを整理します。
・標本調査では誤差が必ず発生する。「サンプルサイズを決める」とは「どれくらいの誤差を許容するか」を決めることである
・必要なサンプルサイズは、許容誤差・信頼度・回答比率の3つで決まる
・信頼度95%・許容誤差5%の場合、約400サンプルが目安
・実務では「分析したいターゲット × 100名」がバランスのよい目安になりやすい
・誤差と予算はトレードオフの関係にあるため、調査の目的に合わせて判断することが重要
まずは「分析したいターゲット層 × 100名」を目安にサンプルサイズを設定してみてください。必要なサンプルサイズが決まったら、実際にどのような調査ができるかをSurveroidでご確認いただけます。
・標本調査では誤差が必ず発生する。「サンプルサイズを決める」とは「どれくらいの誤差を許容するか」を決めることである
・必要なサンプルサイズは、許容誤差・信頼度・回答比率の3つで決まる
・信頼度95%・許容誤差5%の場合、約400サンプルが目安
・実務では「分析したいターゲット × 100名」がバランスのよい目安になりやすい
・誤差と予算はトレードオフの関係にあるため、調査の目的に合わせて判断することが重要
まずは「分析したいターゲット層 × 100名」を目安にサンプルサイズを設定してみてください。必要なサンプルサイズが決まったら、実際にどのような調査ができるかをSurveroidでご確認いただけます。
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