目次
本記事では、アンケートレポートをわかりやすく作成するための基本構成・書き方・グラフの活用法を解説します。すぐに使えるサンプル例も紹介しているので、初めてレポートを作成する方から、より伝わる資料を作りたい方まで、ぜひ参考にしてください。
アンケートレポートの目的
特にマーケティングや商品開発、サービス改善などにおいては、数値の傾向だけでなく、背景や調査の狙いを踏まえたレポート作成が重要です。アンケートレポートは単なる記録ではなく、調査の価値を伝え、行動につなげるための資料として位置づけられます。
アンケートの調査結果を報告するメリット
ここでは、アンケートレポートがもたらす主な3つの効果を紹介します。
経営陣と現場の意思疎通に貢献
組織やプロジェクトの課題の共有・解決につながる
社内外からの会社の評価向上につながる
アンケートレポート(調査報告書)とは
なお、「アンケートレポート」と「調査報告書」は同じ意味で使われることが多く、ビジネスシーンでは前者(レポート)、学術・行政分野では後者(報告書)と呼ばれる傾向があります。
アンケートレポートは記録としての役割も持つため、同様の調査を繰り返す際の比較資料や、過去の戦略を振り返る上でも有用です。わかりやすく正確に構成されたレポートは、企業の信頼性やデータ活用力を示す証拠資料としても活躍します。
アンケートを作成する際の流れ
1.アンケートの目的を決める
2.アンケート内容や手法を決める
3.調査票を作成し実施する
4.結果を集計・分析して報告書にまとめる
セルフ型アンケートツール「Surveroid」には、調査設計からアンケート作成までをサポートする「Survey Agent」という機能があります。商品・サービスや調査目的を入力するだけで設問案を提案してくれるため、流れに沿って設計を進めることができます。
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アンケートレポートで使える6つのグラフ活用法
ここでは、アンケート調査報告書でよく使われる6つのグラフと、その活用シーンをご紹介します。
グラフの種類によって、適した設問・データが異なります。以下の比較表を参考に、目的に合ったグラフを選びましょう。
| グラフの種類 | 向いている場面・設問 | 注意点 |
|---|---|---|
| 🥧 円グラフ | 構成比単一回答シェア比較 全体に占める割合を直感的に伝えたいとき。選択肢が3〜5項目に絞られる設問に最適。 |
項目数が6以上になると見づらい。複数回答や細かい比較には不向き。 |
| 📊 棒グラフ | 複数選択肢の比較複数回答 選択肢ごとの数値を大小で比べたいとき。「認知経路」「利用頻度」などに汎用的。 |
項目が多すぎると視認性が下がる。全体の構成比を伝えるには円グラフの方が適している。 |
| 📶 積み上げ棒グラフ | 属性別・層別比較評価スケール 年代・性別などの属性ごとに回答傾向を比べたいとき。5段階評価の分布表示に便利。 |
各セグメントの実数値が読み取りにくい。データラベルの表示で補完すること。 |
| 📈 折れ線グラフ | 時系列・推移定点観測 月次・年次などの時間軸で変化を追いたいとき。スコアの上昇・下降トレンドを伝えるのに最適。 |
時系列データ以外には向かない。点の数が多すぎると読みにくい。 |
| 🕸 レーダーチャート | 多項目の総合評価ブランド比較 複数軸のスコアを一覧で比べたいとき。自社と競合の強み・弱みの可視化に有効。 |
軸が6以上になると煩雑。数値の定量比較には棒グラフの方が正確に伝わる。 |
| 🔵 散布図 | 2変数の相関分析パターン発見 「広告費と売上」など2つの数値の関係性を探りたいとき。単純集計では見えない傾向を発見できる。 |
相関は因果を意味しない点に注意。データ数が少ないと信頼性が低くなる。 |
円グラフ
たとえば、マーケットシェアや予算配分、利用チャネルの内訳など、全体に対する割合やバランス感を一目で把握したい場面に適しています。色分けすれば各項目の違いも明確に表現でき、視覚的に訴求力のある資料を作成できます。
一方で、項目数が多くなると見づらくなり、細かい比較や複数設問の分析には不向きです。その場合は、棒グラフなど別のグラフ形式を検討するとよいでしょう。
商品の購入チャネル内訳
出典:○○に関するアンケート調査(20XX年)
棒グラフ(縦棒・横棒)
ただし、項目数が多すぎると視認性が下がるほか、構成比の全体感を伝えるにはやや不向きな場合もあります。伝えたい内容に応じて、円グラフなど他の形式と使い分けるのが効果的です。
商品の認知経路(複数回答)
出典:○○に関するアンケート調査(20XX年)
積み上げ棒グラフ
たとえば、「年代別の評価傾向」や「属性別の意見分布」など、複数の層や設問における回答傾向を比較・分析する場面に適しています。「あてはまる」「ややあてはまる」などの評価を項目ごとに並べて見せることで、傾向を一目で捉えやすくなります。
「この商品はニーズに合っていますか」年代別の評価傾向
出典:○○に関するアンケート調査(20XX年)
折れ線グラフ
顧客満足度スコアの月別推移
出典:○○に関するアンケート調査(20XX年)
レーダーチャート
たとえば、製品やサービスに対する評価を「やわらかい」「明るい」「高級感がある」などの印象項目で可視化すれば、ブランドイメージや訴求力の傾向を直感的に把握することができます。また、複数ブランドや競合製品を同じ軸上で比較することで、優位性や改善ポイントが明確になります。
項目数が多すぎると図が煩雑になり、個々の違いが分かりにくくなる点には注意が必要です。また、自由回答のような非定量データには不向きなため、明確なスコア評価がある設問で活用しましょう。
ブランドイメージの印象評価(競合比較)
出典:○○に関するアンケート調査(20XX年)
散布図
たとえば、「広告費と売上」「サービスの価格と満足度」など、“Aが増えるとBも増えるか?”といった関係性を探る調査に適しています。単純集計やクロス集計では見えにくい相関やパターンを見出したいときに力を発揮します。
一方で、データポイントが多すぎると視認性が低下しやすく、外れ値の影響を受けやすい点には注意が必要です。また、見た目で相関がありそうに見えても因果関係とは限らないため、結果の解釈には慎重さも求められます。
広告費と売上の関係性
出典:○○に関するアンケート調査(20XX年)
アンケートレポート作成のポイント
ここでは、レポート作成時に押さえておきたい基本のポイントを紹介します。
「どのような目的で」「誰に」向けたレポートなのかを意識する
誰が見てもわかりやすいこと、提出期限を守ることは共通の大前提ですが、社内向けと社外向けでは重視するポイントが若干異なります。
社内向けレポートは、業務で忙しい中確認してもらうため、簡潔かつ重要事項がわかりやすくまとまっていることが求められます。グラフを使って視覚的に理解できるようにしたり、重要箇所を目立たせたりする工夫が効果的です。
社外向けレポートは、レイアウトを工夫し、空白やグラフを効果的に用いて「見栄えの美しさ」にこだわることが重要です。自社商品のイメージにあった色合いやデザインにしたり、競合商品と比較する際は自社を目立たせたりすることで、直感的な理解につながります。
私見を排除して作成する
分析者の印象や主観的な解釈をそのまま記載してしまうと、読み手の誤解や不信を招く恐れがあります。
特に示唆や解釈を述べる場面では、「〜という傾向が見られた」「〜と回答した人が多かった」というように、根拠となるデータを添えて書くことが大切です。報告書の信頼性を保つためにも、私見は極力排除し、客観的表現を心がけましょう。
要約は必ず載せる
要約を読むことで、読み手は全体像を把握しやすくなり、その後の詳細な内容への理解もスムーズに進みます。特に報告内容が多岐にわたる場合、冒頭に「結論」や「要点」がまとまっていることで、読み手のストレスを軽減できます。
構成としては、「タイトル」→「要約」→「詳細」の3段構造がおすすめです。
内容によっては報告書が何十ページにも及ぶことがあり、最後まで読まなければ結果がつかめない資料では、読み手に負担をかけてしまいます。“まず結果を知りたい”という読み手の視点を考えれば、要約は欠かせない要素です。
要約には以下のような内容を簡潔に盛り込みましょう。
・調査の目的
・対象や手法の簡単な説明
・主な結果・傾向
・特に注目すべき示唆や結論
このように、調査の全体像 → 詳細なデータへとズームインしていく構成にすることで、論理的かつ読みやすい報告書が実現します。
所感は調査結果と分けて記載する
ただし、所感は調査結果(要約や詳細情報)と混在させず、必ず明確に分けて記載することが重要です。事実と意見が混ざってしまうと、読み手がどこまでを客観的なデータとみなすべきか判断しづらくなり、報告書全体の信頼性が損なわれるおそれがあります。
一般的には、本文の最後に「所感」「考察」「補足コメント」といった項目を設けて記載すると自然な構成になります。
また、所感の内容は必ず調査テーマと一貫性を保ち、事実に基づいた視点で記述することが大切です。単なる感想ではなく、「この結果からどんな示唆が得られるか」「どのような打ち手につながるか」といった前向きな考察を添えることで、より実用的な報告書に仕上がります。
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アンケートレポートの構成・項目
ここでは、アンケートレポートに盛り込むべき主な構成要素と、それぞれの書き方のポイントについて解説します。
1.レポートのタイトル
社内向けであれば「〇〇に関する実態調査報告書」など端的なタイトルが適しています。外部向けの場合は、「〜の○割が購入を検討」といった数値を含めるなど、読み手の関心を引く工夫を加えると効果的です。
2.調査の背景・目的
下記は一例です。
『当社の強みである○○部門について新ターゲット層の獲得を推進したいという背景があり、△△を対象に□□を明らかにし、今後の新領域展開への示唆を得ることを目的としています。』
3.調査の概要
下記は一例です。
調査名:○○実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:20XX年XX月XX日(●)~20XX年XX月XX日(●)
対象者:20~69歳/既婚女性/全国
回収数:1,000サンプル
4.調査の回収状況
5.調査結果の概要
6.調査結果の詳細
概要と齟齬がないように作成することはもちろん、テキストだけではなく、表やグラフなどを活用して数値データを視覚的に理解できるようにわかりやすく作成しましょう。読みやすさを重視するため、シンプルな文章や見出しを意識するとより良いです。
7.調査結果に対しての所感
上述したように、報告書は今後の意思決定における基本的な資料になり得るため、事実に基づいた自分の意見を具体的に述べることが重要です。また、事実とはっきり分けて書くことがわかりやすい報告書を作成するポイントになります。
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アンケートレポートのサンプル
アンケートレポートの例1
△△部△△課 ○○部長 殿
△△部△△課 ○○○○
消費者の購買意識・ニーズに関する調査レポート
標記の件について調査を行いましたので、下記の通りご報告いたします。
新商品・サービスの開発および市場参入判断の基礎資料とするため、ターゲット層における消費者ニーズ・購買意識の実態を把握することを目的として本調査を実施しました。モニターパネルを活用することで、既存顧客に限定されない幅広い消費者の意識・行動を定量的に捉えることを目指しています。
| 期間 | 20XX年XX月XX日(X)〜 20XX年XX月XX日(X) |
| 対象 | 調査モニター(○○〜○○歳 / 男女 / 全国) |
| 方法 | インターネット調査(モニターパネル使用) |
| 有効回答数 | ○○○件 |
- カテゴリへの関心・認知関心度の高さ、関連商品・ブランドの認知状況など
- 購買経験・利用頻度過去の購入有無、購入頻度、主な利用シーンなど
- 購買決定要因重視するポイント、情報収集手段、比較検討のプロセスなど
- ニーズ・不満点現在の選択肢に対する不満、求める機能・価値・改善点など
- 価格感度・支出意向許容できる価格帯、今後の支出増減意向など
以上
アンケートレポートの例2(新商品の浸透度について)
△△部△△課 ○○部長 殿
△△部△△課 ○○○○
新商品「□□」の売上状況に関する調査レポート
標記の件について調査を行いましたので、下記の通りご報告いたします。
| 調査目的 | 新商品「□□」の市場での浸透状況や利用実態の確認 |
| 調査期間 | 20XX年XX月XX日(X)〜 XX日(X) |
| 調査方法 | 実際の購買データによるPOS分析 |
| 調査対象者 | 新商品を購入した顧客 |
- 新商品の販売状況よく売れる時間帯、売上が伸びている店舗、販売価格帯、リピーターの有無
- シェアの比較競合他社の売上との比較、自社の他商品との比較
- 店舗別の売上店舗別の売上実績、各店舗での新商品販売への取り組み、売上が伸びている店舗の施策
以上
アンケートレポートについてよくある質問
重要なのはページ数よりも「必要な情報が整理されていて、すぐに理解できるか」です。
Surveroidでは、アンケートの実施から集計・グラフ出力までを一括で行えるため、テンプレートをゼロから用意する手間を省くことができます。
いずれの場合も、グラフの種類と設問の特性を合わせることが重要です。詳しくは本記事の「グラフ活用法」セクションを参考にしてください。
基本は「円グラフ(構成比)+棒グラフ(比較)」の組み合わせが汎用的です。時系列データがある場合は折れ線グラフを追加し、必要に応じてレーダーチャートや散布図を補足として使う構成が効果的です。
まとめ
特に以下の4点を意識すると、伝わりやすいアンケートレポートに仕上がります。
・目的とターゲットを明確にする
・私見を排除し、データに基づいて記述する
・冒頭に要約(サマリー)を必ず入れる
・所感は調査結果と分けて記載する
また、セルフ型リサーチサービスのSurveroid(サーベロイド)でアンケートを実施すると、回収データの集計はもちろん、オプションとしてグラフ出力機能も付属しています。アンケートレポートの作成作業をサポートするツールとしても活用いただけます。
伝わるアンケートレポート 作成チェックリスト
- 目的とターゲットを明確にした
「誰に」「何のために」届けるレポートかを定義している - 私見を排除し、データに基づいて記述した
「〜という傾向が見られた」など根拠を添えた客観的な表現になっている - 冒頭に要約(サマリー)を入れた
調査目的・主な結果・注目すべき示唆を200字程度でまとめている - 所感は調査結果と分けて記載した
事実セクションと意見・提案セクションが明確に分離されている - グラフを適切に使い分けた
構成比→円グラフ、比較→棒グラフ、推移→折れ線グラフで使い分けている - 読み手が1〜2分で全体像をつかめる構成になっている
タイトル→要約→詳細の3段構造で整理されている
※ このチェックリストはアンケートレポート提出前の最終確認としてご活用ください。





